子どもの頃、毎年秋が深まると、わが家の庭に雪囲いに来てくれるおじさんがいました。私は「雪囲いのおじさん」と呼んで、彼にまとわりつき、作業の邪魔をするのが常でした。
しかし、あとでわかったことですが、この「おじさん」は、新潟県西蒲原郡巻町(現:新潟市)で稲作の自然農法を独力で切り拓いた方で、農薬を多用した高度成長時代に「みんなに、ほんとうにおいしいお米を食べさせたい」という想いから、信念を貫き、あえて困難な農法に立ち向かって事業を成功させた、自然農法の先駆者だったのです。
子どものころ「おじさん」が丹精込めて育ててくれたお米を、母が炊きあげたご飯のおいしかったこと。私の子ども時代の幸せな思い出の中には、「おじさん」の白いご飯が、ほんとうによく登場するのです。
『食の花束』という言葉に託して、お客様お一人おひとりに理想の“食”を、ありったけの真心をもってお届けしたいという、わたしたちタケショーの企業理念の根幹には、この「おじさん」とおなじシンプルな想いがあります。
2010年、㈱タケショーは創立50周年を迎えました。
これからのタケショーはいったいどのような会社をめざしていくのでしょうか。私は、「会社」は「社会」との関係抜きには考えられない。いやむしろ、「社会」から求められない「会社」が存在しつづけることはない。「社会」から共感を得られない「会社」は発展すべきではない。それが本来の「会社」のあるべき姿ではないかと考えています。 どんなに収益があがったとしても、社会から求められていない事業や組織では意味がありません。大切なのはどこかでだれかに喜んでいただくために、社会をよくするために、社員一人ひとりが全力で仕事に向き合い成長していくこと。お客様から笑顔をいただいた時、お客様に役立つことができたという喜びを実感し笑顔になること。そして、こうした「笑顔の連鎖」をつくりあげ、そのリングの重要な一員として独自の存在価値をつくりあげていくことなのではないでしょうか。
わたしたちタケショーの視点から言い換えれば、社会から必要とされ、成長が求められているお客様と出会い、そのお客様のためにできることの全てを出し切りたい。お客様お一人おひとりが「今」必要としているものを、花束を贈るような真心をこめて、花の一輪一輪に心を配りながらお届けしたいということです。
食を通して、少しでも世の中を幸せにしていくことのお手伝いをしていきたい、わたしたちはそういうことを、真面目に考えている会社です。
タケショー食の花束グループを、どうぞよろしくお願いいたします。